火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第3章 生き残った一人の少女
瑠火の提案に少々驚いたが、
煉獄家が自分のことを
そんなふうに思ってくれていたことに
ふみのは嬉しさが込み上げた。
「お夕食ができるまで、
お部屋にいて大丈夫ですよ」
ふみのにそう伝えると、
瑠火は台所へ向かった。
(何か、役に、立ちたい)
そんな思いを抱きながら、
ふみのは瑠火の後をついて歩く。
それに気づいた瑠火は足を止め、
くるりとふみのに振り返った。
「…ふみのさん、どうかしましたか?」
「……」
うまく話せない代わりに、瑠火を見つめ、
瑠火の着物の袖口をきゅっと掴む。
瑠火はなんとなくふみのの気持ちを察した。
「お夕食の準備、一緒に手伝ってくれますか?」
笑顔でふみのに問いかけると、
ふみのは、一生懸命に笑顔で頷いた。
「ありがとう、ふみのさん!」
瑠火とふみのは一緒に台所で、
夕食の支度を始めた。