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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第17章 柱合会議と光を継ぐ者




「よく来たね、私の可愛い剣士たち」

奥の襖が開くと、
耀哉が縁側へとゆっくりとした足取りでやってきた。

「お早う皆。とてもいい天気だね。
 今日の柱合会議を迎えられたこと
 嬉しく思うよ。
 ふみのもよく来てくれたね」

「先日は、貴重なお時間を頂き、
 有難うございました。
 お館様におかれましても、
 ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 益々のご多幸を祈念致します」

「ふみの、ありがとう」

(…アイツが新しい柱かァ…?)

実弥は横目でふみのを見つつ、
すぐさま炭治郎のことについて耀哉に言及した。

耀哉はそのことについて
周知させていなかったことを詫びた。

「炭治郎と禰󠄀豆子のことは私が容認していた。
 そして皆にも認めて欲しいと思っている」

耀哉の言葉に皆が動揺を隠しきれなかった。
柱からは賛否両論が飛び交う。

それを静かに聞いていた耀哉は
横にいる少女に手紙を読むように指示した。

それは義勇と炭治郎の育手、
鱗滝左近次からだった。

手紙には、炭治郎が鬼の禰󠄀豆子を
連れていることを許容して欲しい、
飢餓状態でも人を喰わないことは事実であり、
もし人を襲うようなことがあれば、
炭治郎、左近次並びに義勇が腹を切ると綴られていた。

炭治郎の目からは大粒の涙が溢れていた。

しかしそれでも、実弥は不服を訴え、
杏寿郎も危害が出てしまえば
取り返しがつかないと耀哉に反論した。

耀哉は、人を襲わないという
保証ができない証明もできなければ
人を襲うという証明もできないと述べた。

それに実弥は怯んでしまう。

禰󠄀豆子が人を襲わないという事実に加えて、
それに関して左近次らの命をも懸けられているということに
どうしても異議を唱えるのであれば
それ以上のものを差し出さなければならないと論じた。

「…それに炭治郎は鬼舞辻と遭遇している」

耀哉の言葉に皆が驚愕し、声を荒げた。

(無惨は、人間に混じって
 身を隠しているってこと…!?)

ふみのは驚きのあまり、言葉を失う。

皆が騒ぎ立てる中、
耀哉が人差し指を自身の口元に当てると
興奮した柱達は一気に静まり返った。

耀哉はそのまま話し続けた。
鬼舞辻は、炭治郎に向けて追っ手を放っていると。
禰󠄀豆子にも、鬼舞辻にとって予想外の何かが
起きているのだと。

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