火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第17章 柱合会議と光を継ぐ者
「あのぉ、でも疑問があるんですけど…、
お館様がこのことを
把握していないとは思えないです…。
勝手に処分しちゃっていいんでしょうか…?」
蜜璃の言葉に少しばかり冷静さが戻った。
ふみのも、このことは耀哉が何か意図があって
認めていることなのではと感じていた。
「妹は俺と一緒に戦えます!
鬼殺隊として人を守るために戦えるんです!!
だから…っ」
「オイオイ、何だか面白いことになってるなァ」
その場の空気がさらに張り詰めた。
傷跡が幾つも体に刻まれた銀髪の隊士が現れ、
その手には木製の箱を持っていた。
「困ります!不死川様!!
どうか箱を手放してくださいませ!!」
(もしかして、あの箱に鬼が…!?)
ふみのは固唾を吞むように
その光景を見つめていた。
女の隠は必死にその隊士、不死川実弥の怒りを鎮めようとするも
実弥は全く聞こうとしていなかった。
「一体全体、どういうつもりだァ?」
実弥の笑みからは、迸る怒りで
正気を失っているようにも見受けられた。
「不死川さん、勝手なことをしないでください」
実弥の態度に、しのぶの笑みが消えていた。
「鬼が何だって?
鬼殺隊として人を守るために戦えるゥ?
そんなことはなァ、
ありえねぇんだよ馬鹿がァ!!」
実弥は勢いよく日輪刀を引き抜き、
その箱を目掛けて刺し抜いた。
「「「「「 !!! 」」」」」
その場にいた全員がその光景に息を飲んだ。
箱からはその鬼のものと思われる赤い血が
地面に滴り落ちた。
すると炭治郎は目の色を変えて
もの凄い早さで実弥に詰め寄った。
「俺の妹を傷つける奴は
柱だろうが何だろうが許さない!!」
「やめろ!!
もうすぐお館様がいらっしゃるぞ!!」
義勇が声を荒げ、それに実弥が一瞬怯んだ。
その隙に炭治郎の頭突きが実弥の顔面に直撃した。
「善良な鬼と悪い鬼の区別もつかないなら
柱なんてやめてしまえ!!」
「てんめェ、ぶっ殺してやる!!」
その言葉に我を失った実弥は
炭治郎に襲い掛かろうとした。
その時。
「親方様のお成りです」
ふみのを含め、柱全員が横一列に並び、
一斉に腰を下ろし跪いた。