火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第17章 柱合会議と光を継ぐ者
蜜璃はふみのに抱きついたまま
頭をぶんぶんと振った。
「いえ…っ!ふみのさんと
こうやってまた会えただけで
私とっても嬉しいんです…っ!」
「蜜璃ちゃんも柱になったのね。
本当にすごいわ、おめでとう」
「うぅ、ふみのさん…っ」
ふみのはぐすぐすと泣き続ける
蜜璃の背中を撫で続けた。
「何だ、おめーら知り合いだったのか?」
蜜璃ははっと顔を上げて、
天元を見た。
「あ…はい!え、えと…そのっ」
蜜璃は、言葉に詰まった。
ふみのとの出会いを話せば、
杏寿郎のことも話さざるを得ない。
蜜璃は、ふみのが杏寿郎と
距離を置いていることに気付いていたので
それ以上話すことに戸惑った。
ふみのも困惑してしまい、
目を伏せていた。
やはり杏寿郎のことを想うと
胸が苦しくなった。
その時、その場の雰囲気を割くように
首元に白い蛇を乗せた隊士が現れた。
「…今日はいつもに増して騒がしいな」
「お、伊黒」
「…鬼を連れた隊士がいるというのは本当なのか。
考えただけで吐き気がしてくる」
「らしーぜ?今隠が連れてきてるってよ」
「…何奴も此奴も、下らないことばかりする」
蛇を巻いた隊士、伊黒小芭内は
苛立ちと呆れたような面持ちで
近くの松の木に登った。
首元の蛇もシーっと舌を鳴らしている。
ふみのがそのやりとりを不安げに見ていると
蜜璃がふみのの耳元にそっと話しかけた。
「ふみのさん、
私がついてますから大丈夫ですよ」
蜜璃はふみのににっこりと微笑んでくれた。
ふみのの緊張も一気に和らいだ。
「ありがとう、蜜璃ちゃん」
「ふみのさん」
呼ばれて振り向くとしのぶと義勇がいた。
しのぶはふみのに近寄ると
安心したように微笑んでいた。
「ふみのさんのお顔が見れて安心しました。
その後、体調などは大丈夫ですか?」
「はい、お陰様で…。
その節は大変お世話になりました」
改めてしのぶに礼を伝えると
笑顔が見れて良かったと
しのぶは嬉しそうに笑った。