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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第16章 霞ゆく光、産屋敷家との出会い




「色々と困惑させてしまってすまない。
 …ふみのには、
 希望を見失わないでいて欲しいと、
 …そう強く思っているよ」

「…!」

「皆がふみののことを心配している。
 しのぶも…そして杏寿郎も。
 決して弱音を見せない彼だが、
 ふみののことをとても気にかけていた」

「…お館様に、
 私事でご迷惑をお掛けしており、
 大変申し訳ございません…」

「…ふみの。
 皆、ふみののことを
 心から想っているということだよ」

「…っお館様…っ」

ふみのは溢れ出す涙を手で拭った。

「返事は、一月後に開かれる
 柱合会議までに聞かせて欲しい。
 それでも構わないかな」

「はい…、それまでに必ず
 お返事をさせて頂きます」

「ふみのの返事を待っているね」

「はい…っ」


ふみのは深々と頭を下げ、
産屋敷邸を後にした。






ふみのは神妙な面持ちで、
藤の家に戻った。


まさか自分が柱の候補として
名が挙がっていたなんて。

ふみのは耀哉の言葉が
まだ信じられずにいた。


この謎に包まれた呼吸を持つ自分が
柱として携わることは
果たして問題はないのだろうか。

他の柱は、どこまで自分のことを
認めてくれているのだろうか。


しかし、柱であっても、そうでなくても
鬼を滅する目的は変わらない。

柱になれば、耀哉や他の柱を通じて
鬼の現状について、
そして鬼舞辻無惨のことも
よりその詳細を知ることができる。


何より、耀哉が光の呼吸のことを
受け止めてくれていることが
ふみのは嬉しかった。

呪縛のような重たい気持ちから
少しずつ開放されていくようだった。

任務もこれまで通り、
単独で行えば被害を加えることはない筈だ。


 今まで以上に
 鬼を斬ることが出来るのであれば─────


ふみのの中で、
沸々と湧き上がる闘志は
更に己を奮い立たせていた。






ふみのは耀哉と会った翌日に、
柱になる決意を手紙に綴った。

耀哉からは感謝の言葉と、
次回行われる柱合会議に
正式に承認を伝えるので
必ず参加して欲しいと綴られていた。

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