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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第15章 下弦の壱、そよぐ勿忘草 ˖☽°.*



「ふみのの光の呼吸が
 あこそまで磨き上げられていたとは!
 美しく圧巻だったぞ!
 思わず見惚れてしまうほどだった!」

「ありがとう…!
 私も杏寿郎の型に、あんなふうに
 反応するなんて思わなくて…」

「…それは無意識に、
 ということか?」

「うん…いつも通りに振っていたんだけど…、
 刀が突然、」


「杏寿郎ー!!ふみのー!!」


そこに要が二人の元へ飛んできた。

「鬼ノ勢イガ収マラナイ!
 至急、援護ヲ求ム!
 此処カラ西ト東ニ、鬼ガ群ガリ始メタ!!」

「そうか…分かった。
 ふみの、俺は西に向かう。
 東の部隊に加勢を願いたい」

「うん!分かったわ!」

「…ふみの」

「何?」

「先程、俺の日輪刀がふみのの呼吸に
 何か、反応していたように思う。
 理由は分からないが…」

「…!!」

「また帰ったら詳しく話す。
 何かあれば、すぐに知らせてくれ」

「うん。杏寿郎もね」

杏寿郎はふみのの手を握り締める。
二人は見つめ、頷き合うと
名残惜しそうにそっと手を離した。

二人はそれぞれの方角を目指し、
足を早めた。

(私と杏寿郎の日輪刀に
 何が起こったのかしら…)



ふみのの日輪刀が
少しずつ本来の姿を見せ始める。

光の呼吸に潜むのは
本当に“呪い”なのか、否か─────





ふみのが雑木林を走っていると
その道中にも鬼は数匹ほど身を潜めていた。

ただ足枷になるぐらいで
そこまで威力はなかった。

(きっと何処かにこの鬼を操る、
 大本の鬼がいるはず…っ)

ふみのは目の前の鬼達を斬りながら
蓮を思い出す。

(蓮、どうか無事でいて…っ)

ふみのは歯を食いしばり、
その先へと進んでいった。


「ふみのーッ!!」

ふみののすぐ横を
杲が並行しながら飛んできた。


「杲っ…どうし」

「ふみの…ッ!!蓮ガ…!!!
 蓮ガ、下弦ノ、鬼ト遭遇シタ……!!!」

「!!!!」


ふみのの目の前が真っ暗になった。


(蓮が、下弦の、鬼と……?)


冷汗が全身から噴き出て、
ふみのの呼吸が乱れていく。

「杲!!!案内して!!!」

ふみのは一心不乱に
蓮のいる場所まで駆けていった。

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