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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第15章 下弦の壱、そよぐ勿忘草 ˖☽°.*



その時、
草木の間からふみのを目掛けて
一匹の鬼が飛び出してきた。

「鬼狩り共めェ!
 邪魔をするなアァっ!!」

杏寿郎は瞬時に
ふみのの前に立ち、刀を抜く。


「全集中 炎の呼吸 壱ノ型 不知火!!」


「グギャアァッ」

杏寿郎の一振りで
鬼はその炎に包まれ一瞬にして灰になった。

「ふみの、怪我はないか!?」

「うん!大丈夫…っ!
 ありがとう…」

「うむ!
 …この枯れた草木が邪魔になるな…。
 俺がこの一帯を、燃やし尽くす」

「分かったわ。
 私も型を振る!」

二人は周辺を根こそぎるように
同時に刀を勢いよく振り下ろした。


「炎の呼吸 伍ノ型 炎虎!!」

「光の呼吸 弐ノ型 燐閃!!」


杏寿郎の刃から生まれた雄々しい炎の虎と
ふみのの霊びな青白い光の九尾は
息を合わせるように辺り一帯を駆け巡り、
その枯れた草木を燃やし、切り刻んだ。


その時だった。



 ドクン─────…



ふみのの日輪刀が唸った。

(何…っ?!)

今まで感じたことがない波動が
刀から手に、体にじわりと伝わってきた。

「ふみの!!来るぞ!!」

はっと前を向くと、
焦げた草木の煙の合間から
数十体の鬼が襲いかかってきた。


「炎の呼吸 肆ノ型 盛炎のうねり!!」

「光の呼吸 参ノ型 幻明無垢!!」


杏寿郎の灼熱なる炎の帯を取り巻くように
ふみのの光彩が鋭く閃光を放つ。

二人の炎と光の帯が、
鬼の頚を一斉に刎ねた。

鬼達の最期の呻き声が響き渡り、
異様な形をした様々な胴体は
全て粉々になって消えると、
異臭も収まっていった。

ふみのは日輪刀を見たが
先程のような波動は既になく、
何事もなかったように、
刃紋が静かに煌めいていた。

(一体何が起こったの…?
 今までこんなこと、なかったのに…っ)

ふみのは戸惑いつつも、
日輪刀を見つめた。

「ふみの、どうかしたか!?」

杏寿郎も心配そうにふみのを見た。

「あ、ううん!何でもない!」

(…でも不思議。あんなにも私の型と
 杏寿郎の型が馴染んでいくなんて…)

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