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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第15章 下弦の壱、そよぐ勿忘草 ˖☽°.*



ふみのの頬に涙が伝った。
懸命に杏寿郎を受け入れようと
ふみのは杏寿郎をしかと見つめた。

「…分かった。このままゆっくり進める。
 辛かったら、すぐに言ってくれ」

「…うん…っ」

杏寿郎は半分まで挿入された自身を
ゆっくり動かしながら、根元まで挿入し切った。

初めての快感に杏寿郎は全てを持っていかれそうになる。
ふみのの中がうねり、締め付けてくる。
杏寿郎はぐっとその高まりを抑えた。

「全部…入ったぞ、
 ふみの…大丈夫か?」

「うん…大丈夫…。
 …嬉しい、夢みたい…っ」

「ああ、俺も夢みたいだ。
 ふみのが、俺の腕の中にいる…。
 そう思うだけで、
 言葉には出来ない喜びが溢れてくる。
 …少しずつ、動いてもいいか…?」

「うん…っ」

杏寿郎はふみのの中を
その形状になるように、
腰だけを動かし、自身を埋め込んでいく。
そして更に奥に自身を沈めるように
ふみのに体を押し付けた。

杏寿郎は静かに律動を始めた。

ふみのの甘い痛みは、快楽に変わり、
二人はその言葉にならない快感にただ浸った。

杏寿郎がふみのに覆い被さると
幾つもの愛撫が落とされていく。
それはふみのの白い体に
紅い花を散らす。

杏寿郎はただ只管に律動を繰り返した。
ふみのの熱に溺れていくようだった。

ずっとこうなることを
待ち侘びていたかのように
無我夢中でお互いを求め合った。

そしてふみのの中が
きゅっと締まっていくのと同時に
杏寿郎も絶頂を迎える。

「ふみの、もう…っ」
「んっ…っ!」

杏寿郎は、自身を引き抜くと
ふみのの腹へと欲を吐き出した。

腹にかかる熱いしたたりに
ふみのは杏寿郎と
一つになれたこと知る。

杏寿郎は塵紙でそれを拭うと、
ふみのの横へと寝転ぶ。

二人は見つめ合い、
熱い吐息を鎮めていく。

「…杏寿郎、大丈夫…?」

「ああ、ふみのは…?
 何処か痛みはないか?」

「うん、大丈夫よ。
 …杏寿郎、ありがとう。
 とっても、幸せ…」

ふみのは杏寿郎の胸に顔を埋めた。
杏寿郎もぎゅっとふみのを抱きしめた。

「ああ、俺も…幸せだ」

二人は顔を合わせると
そっと口付けた。

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