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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第15章 下弦の壱、そよぐ勿忘草 ˖☽°.*




「私も好き、私も蓮が大好き…っ!」

「ふふっ、あたし達、
 無敵な友情ってやつねっ!」

「うんっ!」



ふみのと蓮は
自分達が、強い絆で結ばれていることを感じた。

あの日、最終選別で
出会った日が懐かしい。

不幸が訪れなければ
出会うことがなかった二人。


蓮がいたから、

ふみのがいたから、

此処まで乗り越えてこれた


きっと神様が引き寄せてくれた
掛け替えのない幸運だと二人は思った。


この先、何があっても
一緒に笑い合えると

この友情は永遠だと

二人は確信していた。



これからもずっと一緒に居られると、
そう信じていた。










その翌日、蓮は義勇の鎹鴉、寛三郎に呼ばれ、
稽古をつけてもらっていた。


「握りが甘い」

「に、握り?
 こうですか?」

「…違う」

「え、こうですか?」

「……違う」

「〜〜〜っ」

「………」

「…すみません、義勇さん、
 分からないです…」

義勇は小さく溜息をつくと
蓮のすぐ横に立ち、
木刀を握る蓮の手に
自分の手を被せる。

「こうだ」

「…っ、はい、
 あ、ありがとうございます」

義勇の手に、蓮はどきりとしたのも束の間、
その手は、すぐに蓮の手元から離れた。

蓮は横にいる義勇を
ちらりと横目で見た。

 …相変わらず、無表情な義勇さん…
 もう、慣れたけど

蓮はまた前を向くと
呼吸を整える。

「肩に力が入りすぎだ」

「はい!」

「腰をもっと構えろ」

「は、はい!」

「…また手元が甘いぞ」

「…っ」

 〜〜〜っ
 あ〜〜頭こんがらがるっ!

「…ぎ、義勇さんっっ」

「……何だ」

怪訝そうに、義勇は蓮を見た。
二人の視線が重なる。

「「・・・」」

「…すみません、何でも無い、です…っ。
 続けます…」

 へ、へんなの…
 でも不思議、
 義勇さん見たら、なんか落ち着いた…

「…振れ」

「え?」

「思うように、刀を振ってみろ」

「…は、はい」

 もう頭で考えちゃ駄目だ
 上手くやろうとしなくていい
 大丈夫、大丈夫
 自分を信じろ


「蓮」


「え…っ」

「焦るな、自分を信じろ」

「…はいっ!!」


 今、初めて、名前で…、
 あたしを呼んでくれた?
 そう、だよね?


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