火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第14章 炎柱、そして迫る影
蓮は土下座をする鬼の胸ぐらを掴んだ。
「裏で誰が糸を引いているか、知ってるんだろ?!」
「…っ!し、知らない、知らない…っ!!
俺は何もやってない…っ!!」
「答えろ!!」
蓮は更に強く、鬼に詰め寄る。
ふみのも蓮の背後から鬼に話す。
「…ちゃんと白状すれば
貴方の望み通りにするわ」
「他にも鬼がいるんだろ?言え!!」
「…っ、
あ、あの方、に、…遣える、お、鬼が、
た、企んでる、…でも俺は、何も…っ」
「…!!!
蓮!朝日がっ!!」
道の奥から、陽光が差し込んできた。
「あの方、の、威力が…グエアァ!!!」
鬼は朝日に当たり、
全て燃え尽きてしまった。
「…どういう、こと…」
蓮は手に残った鬼の着物を見つめる。
何が起こっているのか想像もつかず
二人は動揺した。
「下の鬼達を動かしている
他の鬼がまだ此処に
潜んでいるってこと…だよね…」
ふみのと蓮は
今まで見てきた萎びた草木の光景と、
そして今の鬼の証言から、
裏で猛威を奮っている鬼がいるのではないかと推測した。
「蓮、早急に上に報告するわ。
きっこれは簡単に片付けられる
問題じゃない気がする」
「そうだね、でもすっごい引っかかる…。
十二鬼月の可能性も有り得そうな気がする」
「うん、そうかもしれない。
早く蓮の手当もしなくちゃ…っ」
「へーきへーき!
こんぐらい大丈夫だって!
ほら、杏寿郎くんも任務だったんでしょ?
早く杏寿郎くんのところに行ってあげな!」
「でも、蓮の怪我…っ」
「ふみの!
あたしは一人で蝶屋敷行けるから!大丈夫!
きっと杏寿郎くんもふみののこと
心配してるはず!早く顔見せてあげなって!」
「…蓮、ありがとう。
本部には報告しておくね」
「うん!ありがと!」
ふみのと蓮は途中まで一緒に帰り
蓮は蝶屋敷に向かった。
ふみのは煉獄家に戻ると
千寿郎が家の外で掃き掃除をしていた。
「千寿郎くん!ただいま!」
「ふみのお姉様!」
千寿郎はふみのに抱きつき
嬉しそうに笑った。
「ご無事で何よりです…っ!」
「ありがとう。
杏寿郎と蜜璃ちゃんは…?」
「まだお戻りでなくて…」
「…そう…」
千寿郎は心配そうに
道の先を眺めた。