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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第14章 炎柱、そして迫る影



「何も問題ない!
 父上の代わりに俺が本部へ行ってくる!
 すまないが、留守を頼む」

「うん、気をつけてね…っ」

「ああ!すぐに戻る」

杏寿郎は一人、
鬼殺隊本部へと向かっていった。

槇寿郎に何か言われたのだろうかと
ふみのは杏寿郎の背中から
何か寂しさのようなものを感じた。



杏寿郎が本部から戻ってきた頃には
日も大分傾いていた。

杏寿郎は、何か決意を固め、
静かに闘志を燃やしていた。


杏寿郎は、本部の指示により
槇寿郎が嘗て担当していた地区の任務を
任されることになったのだ。

情報によると、近頃帝都近郊にて
各地に時限爆弾が仕掛けられ、
多くの人が犠牲になっている
悪質な事件が勃発しているとのことだった。

十二鬼月が潜んでいる可能性も十分に有り得る。


「十二鬼月って…、
 その、鬼舞辻無惨に近いと言われる
 鬼なのよね…」

夕餉の後、
ふみのは杏寿郎の自室に来ていた。

「ああ、強さも通常の鬼とは
 比べ物にならない。
 …ふみの、どうした?」

沈むように話すふみの。

「…ううん、
 私も一緒に同行したかったなって」

はじめその任務にふみのも
加わるよう伝令がきたのだが、
蓮と他の任務へと変更になったのだ。

隊士の人手不足もあり、
階級の高い隊士が一つの部隊に固まらないよう
調整が入ったのだ。

杏寿郎の大きな任務になるであろう時に、
ふみのは一緒に行けないことが歯痒かった。

「ふみのは當間少女との任務がある!
 俺のことは案ずるな!
 …ふみのも、くれぐれも無理はするな」

「うん、ありがとう。
 杏寿郎もね」

(何だろう、ざわざわする…)

何となく、ふみのは胸騒ぎがしていた。



そして翌朝、
杏寿郎は、蜜璃を含めた数名の隊士を引き連れて
真相解明のために、現地へと向かった。

ふみのも蓮と二人で
指定された場所へと足を運ぶ。


ふみの達は到着した町の様子に驚愕した。

その町の至る所の草木が萎れ、
ほぼ枯れている状態に近かった。

「…蓮、これって…っ」

「ふみのの家の近くに行った時と似てる…っ。
 それと同じことが起きてるってこと…?!」

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