火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第14章 炎柱、そして迫る影
近頃、ふみのと杏寿郎は
任務に追われるようになった。
以前より、鬼の動きが活発化し、
ほぼ連日のように
ふみの達は任務へと向かった。
ふみのは任務の合間を縫い、
芹草越呉服店に蜜璃の羽織を受け取りに行った。
杏寿郎と行く約束をしていたのだが
任務と重なってしまい、
行けなくなってしまったのだ。
杏寿郎は酷く落ち込んでいたが、
また一緒に街に行こうと
ふみのと杏寿郎は約束をした。
蜜璃も少しずつ任務が始まり、
以前より煉獄家に来る頻度は減ったが、
日に日に、蜜璃も剣技の精度が上がっていった。
この日も、蜜璃は稽古をしに
煉獄家に訪れていた。
千寿郎が作ってくれた洋菓子を食べながら
四人は休憩を取っていた。
「蜜璃ちゃん!
はい!これ、私達からの入隊のお祝い!
改めて、おめでとう!」
「甘露寺の雰囲気に合わせて
見立てて貰った!
少々遅れてしまったが、
受け取って欲しい!」
「…?
!!! わあ…っ!羽織ですか…??
嬉しいです…!
本当にありがとうございますっ!!
師範…いいえ、煉獄さん!ふみのさん!」
涙を浮かべながら喜ぶ様子に
ふみの達も嬉しさが込み上げる。
ちょっと試着をしてきます!と
蜜璃は着替えに部屋へと向かった。
しばらくして蜜璃が戻ってくると
隊服の上から羽織を着ていたが、
その隊服の胸元にふみの達は驚愕した。
「・・・!!!
蜜璃ちゃん…っ!
その隊服って…!!」
隊服から蜜璃の豊満な胸が、既に溢れ落ちそうである。
ふみの達は、目のやり場に困ってしまった。
「や、やっぱりですよねええっ!?!?
でも、隠の人が、
人それぞれ合わせて作っているから
これも公式ですって…」
瞳を潤ませる蜜璃だったが、
公式なら仕方ないな!といつものように
溌剌と話す杏寿郎であった。
その後、槇寿郎の鎹鴉がやってきて、
鬼殺隊本部から柱合会議の召集が掛かった。
杏寿郎は槇寿郎に声を掛けたが
いつもと変わらない様子で、
行く気配は全くなく、
代わりに杏寿郎が赴くことになった。
「杏寿郎、大丈夫…?」
いつもより深刻そうな表情の杏寿郎に
ふみのは心配になった。