火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第14章 炎柱、そして迫る影
「ふみの、呼んでくれてありがとね!
蜜璃の顔が見れて安心したっ」
「うん!蓮にも、どうしても伝えたくて
連絡しちゃった…!
これからも杏寿郎のところへ
来ると思うから、また三人で会いましょ!
…蓮と水柱様のことも、気になるしっ!」
「え〜?てかふみの、
自分のことは棚に上げておいて
あたしばっかりって、おかしくないっ?」
「だ、だって、私は水柱様とは
まだお会いしたことないし、
色々聞きたいなって…っ!」
「ふ〜ん?」
蓮はにやりと意地悪そうに
ふみのを見た。
「楽しそうだな!」
杏寿郎が後ろからやってきた。
「あ、杏寿郎くん!」
杏寿郎はふみの達の隣に腰を下ろし、腕を組んだ。
「當間少女は今、
水柱に稽古をつけてもらっているそうだな!」
「そう!まあ、そんな沢山ってほどでもないんだけど
空いてる時間見つけてはって感じかな!」
「同じ呼吸の剣士から、しかも柱から
直に剣術の指導を受けられるというのは
非常に恵まれている!當間少女は運がいい!」
「そうだねえ。
義勇さんも忙しそうにしてる時もあるし、
感謝しなくっちゃね」
蓮の横顔から、その瞳から、
義勇を密かに想う気持ちが
ふみのにも伝わってくるようだった。
(蓮と水柱様は、一体どんなふうに
接しているのかしら…)
想像するだけで
ふみのは思わず頬が緩んでしまう。
「…ふみの、なんか顔赤くない?」
ずいっと蓮がふみのを覗き込む。
ふみのは必死に手を顔の前で振った。
「えっ!そう!?気のせいよっ!」
「ふみの!何処か具合が悪いのか?
調理をしすぎてしまった所為か?」
「ううん!違う、違うのっ!大丈夫よ!」
怪しいな〜と蓮はけたけた笑う。
「れ、蓮っ、今度また、型を見せてね!」
「うんっ!もちろん!
じゃーそろそろ戻ろうかな!
ふみの、ご馳走様!
千寿郎くんにもよろしく伝えてね!」
「うんっ!今日はありがとう!
気をつけてね!」
蓮は笑顔で手を振って、帰っていった。
「當間少女の表情が、
なんだか生き生きしていたな!」
「うん!本当ね!きっと水柱様との稽古が
充実しているのかもね!」
「そうかもしれないな!」