火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第14章 炎柱、そして迫る影
「はい!
今たくさん作っているので大丈夫です!」
「ありがとう。
では、お言葉に甘えて…!」
笹川は嬉しそうに笑った。
「ふみの!
これも甘露寺に出すものか?」
杏寿郎がお盆に乗った
カスタプリンを持ってきてくれた。
「あ!そう!
杏寿郎、ありがとう!
蜜璃ちゃん!
この間言っていたカスタプリン!
作ってみたの!」
「え!!すごいですっ!
お作りになったのですね!!
美味しそうです〜っ!いただきます!!」
「笹川先生も良かったら
召し上がってみてください!」
杏寿郎からお盆を受け取り、
ふみのは蜜璃達に配った。
ほう、これは初めて食べるな!と
笹川も瞳をときめかせていた。
蜜璃の帰還を祝い、
ふみの達は蜜璃の好物の桜餅を始め、
他にも沢山のご馳走を作り、振る舞った。
ふみのは杲に頼み、
蓮にも蜜璃のことを知らせると
すぐに煉獄家に来てくれた。
蓮も交えて、
皆で楽しい一時を過ごした。
そして蜜璃は、ふみのと千寿郎の料理を
あっという間に、食べ尽くしてしまった。
「蜜璃のその食べっぷり、
いいね〜〜!最っ高!」
蓮は胡座をかき、その膝に頬杖をつきながら
蜜璃を愉しそうに眺めていた。
「蜜璃ちゃん、お家に帰ってからの
お食事は…大丈夫…?」
ふみのは蜜璃の家族が
作ってくれるであろう食事が入るか心配になった。
「ふみのさん!大丈夫ですっ!
まだ全っ然食べられますっ!」
蜜璃は自慢げに、
にかっとこちらを見た。
(す、すごいわ…!)
蜜璃の胃袋は、
まだ半分にも満たされていないとのことだった。
ふみのは蜜璃が
よっぽど腹を空かせていたのだと痛感した。
「甘露寺は俺よりも良く食べるからな!」
杏寿郎は声をあげて笑い、感心していた。
笹川は蜜璃に次回の診察のことを伝え、
ふみの達に食事の礼をすると、診療所へ戻った。
蜜璃はふみの達に何度も頭を下げ、
膨れた腹を抱えるようにして
自宅に戻っていった。
縁側でふみのと蓮は、腰掛けていた。
「蜜璃も今日から隊士の仲間入りかー!
なんか、さらにこっちも燃えてくるね!」
「うん…!一緒に頑張っていきたいね!」