• テキストサイズ

火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第13章 片想い − 恋咲く −



少し先を飛ぶ月光が
道を駆ける蓮に近づいてきた。

「コノ道ヲ左!」

「月光!ありがと!」

蓮は月光の指示通りに
その道を左に曲がった。


 いた…っ!
 あの半分柄の違う羽織…!
 冨岡さんだ…っ!


蓮は義勇に駆け寄る。



「冨岡さんっ!!」



義勇は立ち止まり、
ゆっくりと蓮の方へと振り返った。

「……」

「先日は…助けていただいて
 本当に、ありがとうございました…!
 あ、あたし當間蓮と、いいます!」

蓮は息を切らしながら話す。

「…隊士なら
 当然のことをしたまでだ」

「あ、あのっ冨岡さんの型に、
 あたし、本当に感動し」

「…それだけか」

「…え?」

「用は、それだけか」

「え…えと、お礼をと、
 思いまして、その…」

「…先を急いでいる」

「あ、すみません…っ。
 引き止めてしまって…」

「……」

義勇は前を向くと
歩き出してしまった。


 ・・・え?
 えっと、なんかさ、
 もうちょっと何か話さないのかね?!
 

「冨岡さん!!!」


義勇はまた立ち止まり
少し面倒くさそうに
顔を顰めながら蓮を見る。


「…なんだ」

「え、えと、その…っ」


 あ〜〜〜呼んでおいて、
 話題とか全然ない、どうしよ、え、えと


義勇は溜息をついて
また前を向こうとした時、


「あ、あたしを、
 義勇さんの継子にして下さいっ!!!」


思いも寄らない言葉に
義勇は目を見開き、そのまま固まる。


 ・・・何言ってんだあたし…
 あ〜〜何言ってるの、あたしってば…っ



「俺は、柱じゃない」

「…え?」


 この人、何を、言ってるの?


「え、でも水柱は、義勇さんって聞い…」

「もう一度言う。
 俺は柱じゃない。
 …他の人を当たれ」


 ・・・何言ってんのか全然理解できない。
 何なのこの人、言葉数も足りないし、
 何が何だか、さっぱり分かんない…っ


義勇はまた歩き出していた。

「ちょ…義勇さん!!待って下さい!!」

蓮は義勇の後を追いかける。

「ねえ!待ってってば!!
 義勇さんっ!!」

蓮は、義勇に追いつくと
隊服と羽織を、ぐいっと一緒に掴んだ。



ブチッ

……コロンコロン



義勇の隊服の第一釦が外れ、
地面に釦が転がる。


「「・・・」」


/ 545ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp