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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第13章 片想い − 恋咲く −



『蓮ちゃん!!それはいけない!!
 一彰くんがそれを
 望んでいると思うか…っ!?』

『…う、うぅ…っ』

『蓮ちゃん…辛いよな…。
 でも、これからも、これから先もずっと
 私達は蓮ちゃんの一番の味方だ。
 大切な家族の一員なんだ。
 少しずつでいい。
 一彰くんの分まで、
 一緒に生きていこう…?』

『う、うわああ、うわあああんっ』









『蓮は我儘を言いたくなる時、ある?』

『…ある!たくさんあるよ!』

『あはは!蓮は素直だなあっ!』

『お兄ちゃんとずっと一緒にいたい!
 お兄ちゃんと一緒に暮らしたい!
 あと…っ!』

『たくさんあって、結構結構っ!』

『お兄ちゃんは、ある?わがまま』

『そうだなあ!あるけどね、今は大丈夫』

『え??どういうこと??』

『 “無い物ねだりせず、
   今の自分に与えられた幸せを
   大切にしよう”
 前に俺が手紙に書いたの、覚えてるか?』

『あー…思い出した…。
 でもあたしそれ、良く分かんなかった…』

『うん、俺も父さんから教えてもらった時
 全然分からなかったんだ。
 でも今はすごく、分かる』

『…?』

『今俺は、蓮と一緒に過ごせる
 この時間があるだけで
 幸せなんだ。もう、十分すぎるくらいに』

『…!!』

『きっとこの先も大変なこと、
 辛いことが沢山あるかもしれない。
 でも思い出して欲しい。
 俺はいつも蓮のことを思っているよ。
 そして必ず蓮を迎えに来る。
 また一緒に暮らそう。
 だからその時まで、待っていて欲しいんだ』

『…うん、分かった。
 蓮、待ってるよ。お兄ちゃんのこと』

『うん…!ありがとう、蓮。
 必ず、迎えに行く』

『あたしとお兄ちゃんの“わがまま”、だね』

『ああ!そうだなっ!“わがまま”だっ!』





 お兄ちゃん





 あたし、ずっと待ってたのに





 一緒に暮らせるって
 信じていたのに





 また名前を
 呼んで欲しかったのに































「蓮…っ!!」



蓮は泣きながら目を覚ました。
そこにはゐとが心配そうに蓮を見つめていた。

「呼んでも居間に来ないから
 お部屋まできてしまったの…。
 こんなに泣いて…」

ゐとは優しく蓮の涙を拭いてくれた。

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