火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第13章 片想い − 恋咲く −
『全然へーきっ!
ゐとさんもふみののことは
ちゃんと分かってるしさ!
あたし、ふみのの鮭の甘酢あんかけ、
すっごい好きなんだよねえ!』
『じゃあ今日も
美味しくできるように頑張りますっ!』
『あーもう幸せっ!楽しみ〜!
ふみの、あんた絶対
いいお嫁さんになるよほんと』
『ちょっ…蓮!何言ってるのっ!』
『ふみの!今戻ったぞ!
! 當間少女か!久しいな!』
『あ!杏寿郎くん、お帰り!
ねえ杏寿郎くん、一生のお願いっ。
ふみののこと、ほんっとに頼んだ』
『何だ!何の話だ!』
『杏寿郎!駄目っ!
何も聞かないでっ!!』
『いや!気になるな!
當間少女!話しを聞かせてくれ!』
『杏寿郎くん、ふみのをもら』
『や、やめて〜〜〜っ!!!』
蓮は自室で仰向けに寝転びながら
この間のふみの達とのやりとりを
思い出していた。
あの二人、
本当にお似合いなのになあ〜
ふみのもかなりの恥ずかしがり屋だし
これはもうちょいかかるかね…
それにしても
ふみのの側にいると
いつもあったかい気持ちになる
どんな時でも、誰にでも
気遣いできてホントいい子だよなあ
そりゃ杏寿郎くんも好きになるわけだよな
蓮は天井へ片手を仰ぐ。
さっきの流流舞い、
いつもと全然感覚が違った…
無意識に出てきた言葉で
あんなふうになるなんて思ってもみなかった
水の呼吸、
まだまだ掴めてないや
もっと強く、なりたい なぁ…
蓮はうとうとと
眠りにつき始めていた。
『お兄ちゃんっ!!』
『蓮っ!大きくなったなあっ!』
『ふふ!
お兄ちゃんが小さくなったんじゃないっ??』
『あはは!そうかもしれないな!』
『お兄ちゃん、あたし、
たくさん手紙書けてるでしょ!』
『うん!字も綺麗だし、蓮はすごいな!』
『一彰くん、久しぶりだね。
蓮ちゃん、難しい漢字もすぐに
覚えられるんだ。
本当にびっくりしているよ!』
『大叔父さん、ご無沙汰しております!
いつも蓮のこと、
ありがとうございます…!
蓮も楽しそうに過ごしてることが
手紙から伝わってきます』