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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第13章 片想い − 恋咲く −



『叔母さん、すみません…。
 もう少しで終わります…っ。
 …蓮、目を閉じて
 胸に手を当てて?』

『…ここ?』

『ああ、そうだ。
 ここにはね、目には見えないけれど
 父さんと母さん、俺との思い出が
 たくさん詰まってるんだ』

『…おにいちゃん、
 そんなの、みえないよ…?』

『うん、まだ少し蓮には
 難しいかもしれないけれど
 “心”で見るんだ』

『こころ?』

『ああ、そうだ。
 蓮、目を開けて。
 これから手紙でその方法を蓮に伝えていく。
 だから大叔母さんの家で
 俺の手紙を待っていて欲しいんだ』

『…ぜったい、おてがみくれる?』

『もちろん!
 さっき指切り、しただろ?』

『…れんのこと、わすれない?』

『忘れるもんか!
 蓮は俺の大事な妹なんだから』

『…れん、おにいちゃんのこと、すきだよ』

『うん、俺も蓮のことが大好きだ』


『蓮ちゃんや、
 一彰くんときっとまた会えるから、大丈夫だ。
 その時を楽しみに、一緒に暮らしていこう』

『大叔父さん、大叔母さん、
 蓮のこと、よろしくお願いします』

『ああ、任せなさい。
 一彰くんも、無理はしないで。
 また会える時まで、元気でね』

『はい!
 蓮、また会えるからね。
 大叔父さん達の言うことを
 ちゃんと聞くんだよ』

『…おにいちゃん、だっこして?』

『うん…!
 …蓮、重くなったなあ…っ』

『おにいちゃん、れん、
 ちゃんと、いいこにする』

『うん、蓮はお利口さんだから
 神様が見ていてくれるよ。
 父さんも母さんも、きっと見守ってくれる』

『…うん!れん、がんばる』

『俺も頑張る。
 一緒に頑張ろうな』


『一彰さん!列車の、時間がっ!』

『はい…っ!
 行かなくちゃ。
 必ず手紙の返事、送ってね。
 俺、待ってるからね』

『うん、うん…っ。
 れんも、いっしょうけんめいにかくから…!
 まっててね…っ』



ああ



おにいちゃん





いかないで






おねがい






おいていかないで






ひとりにしないで






おにいちゃん






お兄ちゃん…っ!!!










「はっ…っ!!!」



蓮は自室の布団から飛び起きた。


 夢、か…


夜が明け始め、部屋の中は薄らと
明るくなりかけていた。

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