火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第2章 一族の破滅
空が、茜色に染まり始めていた。
「最近色々あったから体が疲れていたのね。
薬を飲んでゆっくり休めば、すぐに元気になりますよ」
ふみのは突然の熱に魘されていた。
早めの夕飯におかゆを作ってもらい少しだけ食べた。
「こんなときに、迷惑をかけてごめんなさい」
ふみのはみち達に謝る。
そんなこと気にしないのと
みちはふみのの額にのせている
濡れた布巾を交換してくれた。
「ふみのねえさま、だいじょうぶ。
ぼくがそばにいるからね」
布団の横に正座をしている健一郎が
とんとんとふみのの布団を優しくたたいた。
「ふみのねえさまは頑張りすぎです!
よしののことをもっと頼ってください!」
健一郎とよしのがふみのの顔を覗き込む。
「健一郎、よしの、いつもありがとう。
早く元気になりますね」
風邪症状特有の、体が熱って気だるい。
早く休んで元気にならなければ。
「さあ、風邪薬を飲んでもうおやすみなさい。
かあさま達は大丈夫だから」
みちに布団からゆっくり上半身を起こしてもらい、
風邪薬を水で流し込んだ。
健蔵の帰りがまだだったので
ふみのは心配ではあったが、みちの言葉に安心して、
内服後、すうすうと寝息を立てて眠った。
その晩、その悲劇は突然に起こった。