火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第2章 一族の破滅
健蔵はゆっくりと三人の顔を見つめる。
「側にいれないとうさまを許してくれ。
事が片付いたらすぐに戻る。
それまでかあさまの言うことをしっかり聞くように」
はいと三人揃って返事をする。
よしのと健一郎の頭を順番に撫でた。
最後にふみのに健蔵は力強い眼差しを向けた。
「最近、色々と辛い思いをさせてしまい申し訳ない。
だが、きっといい方向に動く。
それまでふみのの力を貸して欲しいんだ」
健蔵の願いにふみのは大きく頷いた。
「もちろんです。私はとうさまとかあさま、よしのと健一郎、
一族全ての人達を、守っていきたいです。
一緒に頑張ります」
今まで見たことのないふみのの瞳に
健蔵は胸が熱くなった。
「…ふみの、立派になったな」
健蔵は目を細めて笑い、ぽんぽんとふみのの頭を撫でた。
「それでは行ってくる」
健蔵は外へと出かけていった。
なんとなく胸騒ぎがしていたのを、
ふみのも感じていた。