火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第11章 煉獄家への継子
ふみのの怪我も無事に完治したので、
蜜璃への稽古も始まった。
しかし稽古となると、
ふみのは容赦無く蜜璃に指導した。
今日は杏寿郎が要に呼び出され不在だったので
ふみのは蜜璃と朝から打ち込みをしていた。
「蜜璃ちゃん!!左が隙だらけよ!!」
カンカンと木刀から鋭い音を立て、
ふみのは蜜璃の弱点を攻めていく。
「ふみのさんっ!!
も、もう、腕がっ取れてしまいそうですぅっ!!」
「蜜璃ちゃん!諦めちゃ駄目!!
頑張って!!」
「ひゃ、ひゃい〜〜〜!!」
ふみのは更に力を増しながら、
蜜璃に刀を振るう。
蜜璃は涙目になりながらも、
必死に耐え、食らい付いてきた。
日課の素振りも終え、夕方近くになり、
千寿郎が持ってきてくれた
茶菓子を食べながら二人は休憩をとっていた。
「蜜璃ちゃんの身体は本当に柔らかいのねえ!
羨ましいくらいに動きがしなやかで綺麗だわ!」
「えへへ、そうですかっ??
毎日寝る前に柔軟をしているんです!
それが効いてるのかもしれないです…っ!」
「なるほどね…!
今度良かったら、
是非教えてもらえないかしら?」
「そっそんな!
私からふみのさんに教えるだなんて!
大変恐縮です…っ」
「蜜璃ちゃん!同じ仲間同士だもの!
一緒に切磋琢磨していきましょ!」
「…!はいっ!!」
ふみの達は休憩を終え、
最後にもう少しだけ稽古の続きをしようとしたところ、
杲が稽古場に飛んできた。
「ふみの!伝令!伝令!
北ノ方向ニテ、
鬼ノ目撃情報ノ噂有リ!
今カラ、聞キ込ミ調査モ含メ、
任務ニ向カエトノ事!」
「分かった、街がある方よね。
蜜璃ちゃん、稽古の途中でごめんなさい…。
任務に行ってきます」
「はい!ふみのさん、
どうかお気をつけて…っ」
蜜璃は心配そうにふみのを見つめる。
「大丈夫よ!ちゃんと戻ってくるから!
だから蜜璃ちゃん、
そんな泣きそうな顔をしないで?」
ふみのはにこりと微笑むと、
蜜璃の不安な表情は和らいだ。
ふみのは急いで身支度をし、
玄関に向かうと
丁度帰宅したばかりの杏寿郎と目が合った。