火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第11章 煉獄家への継子
「いえ!大丈夫ですよ!
多分もう少ししたら見廻りから
戻ってくると思うので。
こちらでお待ちくださいね」
ふみのはにこりと蜜璃に笑いかけた。
「あ、あの、ふみのさんは
鬼殺隊の方なんですか…?!」
ふみのは出かけていたので、
隊服ではなく、薄藍色の着物を着ていた。
「はい!私も杏寿郎に稽古をつけてもらって
鬼殺隊に入隊することができました」
「そうなんですね…っ!
私も鬼殺隊士になりたくてっ!
でも自分だけでの鍛錬は難しいと思い、
師範となっていただける方がいないかと
色々伺っていたところ、
煉獄様の事を聞いて…!
是非稽古をお願いしたいと思い、
参った次第ですっ!」
蜜璃の瞳は熱意に燃えていた。
「杏寿郎もきっと喜ぶと思います!
よかったらお茶菓子でも食べて
お待ちくださいね」
「わああ!嬉しいっ!いただきますっ!」
ふみのは街で買ってきた
団子を差し出すと
蜜璃は一瞬で食べてしまった。
「おいひいわ〜!甘いものって
本当に幸せな気持ちになりますねっ!」
「ふふ!気に入ってもらえてよかったです!」
「ところで、ふみのさんは、
煉獄様の奥様なんですよねっ!?」
「&◎%☆#△$〜ッッ!?!?」
ふみのは顔が真っ赤になった。
「…あれ!?ふみのさんっ?!」
「っち、ちち違いますよ!!!
杏寿郎と、私は、そのっ、なんとういうか、
え、えと、私が居候の身、でしてっ!」
「えっっ!?やだ!私、てっきり奥様かとっ!!
こんな若くて可愛らしい奥様がいるなんて
煉獄様は幸せ者だなあって、
キュンとしてたんです!」
ふみのは蜜璃の
思いもよらない発言に気が動転した。
(…わ〜〜〜っ、
恥ずかしくて、どうにかなりそう…っっ)
ふみのは目をぎゅっと閉じ、
両手で赤くなった頬を隠した。
「…失礼なことを言って、
本当にごめんなさい…っ!」
蜜璃はぺこぺこと頭を何度も下げて謝った。
「いいえ!お、お気になさらずに…っ!」
ふうと息を整えていると、
玄関の戸が開く音が聞こえた。
「今戻った!!」
杏寿郎の声が響き渡る。