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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第11章 煉獄家への継子



「そうか!それは良かった!」

「もしかして、杲さんが杏寿郎に…?」

「ああ!杲が知らせてくれた!
 ふみのが大怪我をしたと、慌てていたのでな。
 俺も取り乱してしまった!」

「もう、杲さんったら…」

杲は何かふみのに起こると
すぐに杏寿郎へと(家にいる時は)知らせにいくのだが
いつも勢い余って、大袈裟に話してしまうのだった。

「千寿郎も心配していた!」

「本当、ごめんなさい。
 千寿郎くんにまで心配かけてしまって…。
 でも今日一日だけ泊まれば、帰れるから!」

「では明日、また迎えに来る!」

「えっ!大丈夫よ!
 一人で帰れるわ!」

「いや!万が一、
 ふみのに何かあったら大変だ!
 迎えに行く!」

「………よ、ろしく、お願いします!」

「うむ!」

杏寿郎は満足そうにふみのを見る。

ふみのは中々食い下がらない杏寿郎に押され、
迎えに来てもらうことになった。


「…あ、杏寿郎、今日は非番だったよね?」

「ああ!」

「せっかくのお休みなのに、ごめんね…」

「気にするな!
 ふみのと話せる時間が、俺の休息だ!」

杏寿郎はさらりと
ふみのに嬉しいことを言ってくれる。

「最近、お互い忙しかったものね…。
 こうやってゆっくり話せるのも、なんだか久しぶりね」

「そうだな。任務が重なって、
 家でもあまり会えていなかったな。
 甲になって、また一段と任務が増えた気がする」

「…確かに日を跨いでの任務も
 立て続けだったものね」

杏寿郎が任務で二、三日ほど
家を空けることは珍しくなかった。

ふみのは杏寿郎の帰宅が長引く度に
千寿郎と共に酷く不安に駆られた。

怪我をしながらも、杏寿郎が戻って来た朝は、
ふみのはいつも涙を滲ませていた。

「…杏寿郎が戻ってきた朝は、本当に嬉しくて
 千寿郎くんと…」

ふみのは言いかけて、
杏寿郎の首元にちらりと見えた包帯に目を見開く。

「杏寿郎…っ!首の包帯、どうしたのっ??」

「ああ!これか!先日の任務でな!
 不覚にもやられてしまった!
 でも既に傷口は塞がっている!問題ない!」

「…私、全然気付かなかった…。
 ごめんなさい…」

「ふみのが謝ることではない!
 もう痛みも、何もない!」

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