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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第11章 煉獄家への継子



「…一体、何が…っ」

やはり、何処かに鬼が潜んでいるのだろうか。

ふみのは眉をひそめ、唇を噛んだ。

「…ごめん、怪我してるふみのに
 色々話しちゃった」

「ううん、忙しいのに
 調べに行ってくれてありがとう」

「全然!こんなことしか分かんなかったけど…。
 ふみのの怪我が治ったら、また一緒に行ってみよ!」

「うん!!」

「じゃ!あたしはそろそろこの辺で帰…」

タタタダダダダッッ

廊下から、走ってくる足音が
ふみのの部屋に近づいてくる。


ガラッッ


扉が勢いよく開くと
そこには酷く慌てた様子の杏寿郎がいた。

「ふみの!!!」

「杏寿郎!」「杏寿郎くんじゃん!」

杏寿郎は息を切らしながら、
ふみのの寝台へと駆け寄る。

「どうして此処にいるって分かっ…」
「怪我をしたのか!!」

「う、うん!腕を切ってしまって
 しのぶさんに手当っ…」
「他は!?他にも怪我を!?」

「あ、あと、頭を打ってしまって
 少し腫れてるぐらい!」

杏寿郎は、走ってきたのか
肩で息をしていた。

「……そうか、怪我は、本当にそれだけか?
 痛かっただろう…」

杏寿郎はふみのの腕の包帯を見て
顔を顰めた。

「うん!怪我はこれだけ!
 でも!ほらっ!もう大丈夫よ!
 体はとっても元気なの!
 しのぶさんが念の為、一日だけ様子を見ましょうって」

ふみのは怪我をしていない方の腕を
ぶんぶんと揺すって見せた。

「そうか、他には痛むところはないか?」

「大丈夫よ、杏寿郎。
 来てくれてありがとう」

にこっと笑うふみのを見て
杏寿郎もほっとした。

「杏寿郎くんは、ふみののことになると
 すーぐこうなんだからっ!」

「うむ!心配だからな!」

「それじゃ、お邪魔虫は退散しま〜す!
 ふみの、お大事にね!
 また月光から連絡させる!」

「うん!蓮、ありがとう!
 気をつけてね!」

じゃあね〜と、蓮は手をひらひらさせて
部屋を出ていった。

「…本当に、大丈夫か、ふみの」

椅子に掛けながら、
何度も心配そうに聞いてくる杏寿郎に
ふみのは優しく微笑んだ。

「本当に大丈夫よ!
 杏寿郎が来てくれたから
 元気になったわ!」

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