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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第11章 煉獄家への継子



今までは日帰りで帰っていた為、
蝶屋敷に泊まるのは初めてだった。

ふみのと蓮はしのぶに礼を伝え、
診察室を出ると後ろの方から
一人の少女に呼び止められた。

「一ノ宮ふみのさん!ですね!」

「!? はいっ!」

くるりと後ろを向くと
髪を蝶の髪飾りで、二つ結びにしている少女がいた。

何度か蝶屋敷で見たことがあった少女だったが
話したことはまだなかった。

「神崎アオイと申します。
 今からお部屋にご案内します!」

「あ!よろしくお願いします!」

「あたしも一緒に行ってもいいですか!?」

蓮がアオイに許可を取ろうと話しかける。

「構いませんが、治療中の方がいるので
 くれぐれもお静かに願います!」

ピシャリと言われて、
蓮ははーいと返事をした。


階段を上がり、
一番奥の個室に案内された。

「ふみのさんのお部屋はこちらです!
 他の大部屋は男性がいるので
 この部屋を使ってください!
 体調が悪化したり、何か必要な物があったら
 呼んでください!」

「あ、ありがとうございます!」

アオイはテキパキと説明を終えると
また下の階に戻っていった。


ふみのは病室の寝台に
体を起こして、蓮と話していた。

「いやーいつも見てもしっかりしてるねえ!あの子!
 ほんと頼もしいっ!」

「本当に…!
 あ、蓮はこの後、予定は?大丈夫なの?」

「特にないっ!
 …ふみのにちょっと話したいこと、あってさ」

「なに?」

蓮の顔が急に真面目になったのが分かった。

「あたし達が一番最初に行った任務のこと、
 覚えてる?」

「うん、もちろん…!
 あの後も、何度も調査をしに行ったけど
 未だに何も分かってなくて…」

「ふみのと一緒に行ったのって
 杏寿郎くんも含めて大勢で行ったのが最後だよね?」

「そう。でも今も、何も鬼の被害は全く出てなくて。
 …なんだか、余計に怖く感じる」

「あたし、この間、明るい時間帯に行ってみたの。
 そしたら、そこら中の草木が、変で」

「変?変ってどういうこと?」

「なんっかこう…溶けて腐ってるような、感じでさ」

「…!?」

「夜にしか行ってなかったから、
 そういう細かいところに、全然気付かなくて。
 …やっぱり、あの辺、何かがおかしい」

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