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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第11章 煉獄家への継子



そんなふみのの陰口が蓮の耳に入った日には、
その隊士の家にまで押しかけて、
怒鳴りつけていたのだ。

「蓮さんは、ふみのさんのことが
 本当に大好きなんですね」

ふふふと、しのぶは笑った。

「でもふみのさんは、
 その呼吸で、今まで沢山の鬼を
 倒しているのは、紛れもない事実です。
 私はふみのさんの光の呼吸、
 とても素敵だと思います。
 だって選ばれた人しか、使えない呼吸なのでしょう?
 きっとふみのさんの支えになってくれますよ」

しのぶはにっこりと笑った。

「…はい!ありがとうございます!」

ふみのはしのぶの言葉で
気持ちがふわりと軽くなった。


すると、処置が終わった蓮が
勢いよく診察室に入ってきた。

「ふみのっ!!!」

「蓮!」

「あんた腕はっ!?大丈夫なの!?」

「うん、しのぶさんが手当して下さったから
 もう大丈夫よ!蓮は?大丈夫?」

「あたしは全然!
 引っ掻かれたくらいだから、
 大したことないよ!」

「そう、良かった…!
 今ね、ちょうど蓮の話をしていたの」

「え!?ちょっ!何っ!何の話!?」

蓮は恥ずかしそうに体を後ろに引く。

「蓮さんが、いつもふみのさんのことを
 守っていらっしゃると伺っていたのですよ」

「あー……!
 そうなんです、なんかあたし、
 そーゆー奴ら、許せなくて…っ」

蓮が悔しそうに顔をしかめる。
ふみのは蓮の気持ちだけで、十分嬉しかった。

「蓮、いつもありがとう。
 でも、私は全然気にしてないから…!」

「はあ!?こんなに強いふみのの呼吸のこと
 あーだこーだ言われてんの、すっごい嫌なの!!
 一生懸命にふみのはやってんのにさ!」

ふん!と蓮は頬を膨らませる。

蓮は曲がったことが嫌いで
悪態をつかれるのはもっと嫌いだった。

ふみのより一つ年上の蓮だが、
時々見せる子どもっぽい表情も可愛らしかった。

しのぶはそんな二人のやりとりを
楽しそうに聞いていた。

「はい、ふみのさん。終わりました。
 後頭部は少し腫れているので
 今日一日様子を見ましょう。
 上の部屋に泊まっていって下さい」

「はい、分かりました。
 今日はありがとうございました!」

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