火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】
第10章 訪問者と贈り物
「え!ないないっ!大丈夫よ!」
「じゃー決まり!久しぶりに会えたし
話も色々したいしさっ!」
早く行こー!と蓮はさくさくと歩いていく。
ふみのは蓮の笑顔を見たら
先程の暗い気持ちはどこかへいってしまった。
(杏寿郎と千寿郎くんにも紹介しなくちゃ…!)
「ほら!ふみの!置いてくぞー!」
「あ!うん!今行く!」
二人は煉獄家へと向かった。
「はーーー!でっかい家だこと!!」
蓮は煉獄家の門の前で口を大きく開け
驚愕していた。
「わ、私も初めて見た時は、驚いたわ…っ!
(まさか私が住んでいた屋敷は
もっと大きかったなんて、言えない…)」
ふみのは苦笑いしながら、門をくぐると
庭で杏寿郎と千寿郎が稽古をしていた。
杏寿郎達はふみのに気付いて、
一目散に走ってきた。
「ふみの!無事か!怪我はないか!」
「ふみのお姉様!お帰りなさい!」
「只今戻りました!うん、大丈夫よ!
でも、初任務は何も出来ず終いで…」
「そうか…鬼の気配もなかったのか?」
「うん、嫌な雰囲気はしていたけど
捜索していても、何も手掛かりが得られなかったの」
悔しそうにしているふみのを見て
杏寿郎はふみのの肩にぽんと手を乗せる。
「再度、その場所への任務依頼を出して
捜索を続けてみよう!俺も手配してみる!」
「うん…!ありがとう!」
ふみのに笑顔が戻ると
杏寿郎も微笑んだ。
「…あの、ふみのお姉様、そちらの方は…?」
千寿郎がちらりと蓮を見ていた。
「あ!蓮、ごめんなさい!
こちらは最終選別で知り合った當間蓮さん!」
「初めまして!當間蓮です!
今日ふみのと一緒に初任務をやってきて!」
「そうだったのか!
俺は煉獄杏寿郎という!こちらは弟の千寿郎だ!」
「杏寿郎くんに、千寿郎くんね!よろしく!
…まあほんとに初任務は何もできなくて
なんかイマイチで、悔しいね…」
「うむ、この案件は上にも報告して、
何か策がないか相談してみよう」
「杏寿郎くん、頼りになるね〜!
ふみの、一緒に頑張ろうねっ!!」
「うん!!」
ふみのと蓮が熱意に燃える姿に
杏寿郎はふみのにいい同士ができていることを
嬉しく思った。