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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第10章 訪問者と贈り物



ふみのが最終選別から戻って
半月程が経っていた。

ふみのの体調は完全に回復し、
背中の痛みもほとんど無くなった。

あの後も笹川と看護婦は度々往診をしてくれて
ふみのの傷の処置をしてくれた。

そのお陰で、背中の傷跡も全く目立っておらず、
ふみのは笹川と看護婦に何度も頭を下げていた。



その日の朝。

ふみのは、体調も元に戻りつつあったので、
杏寿郎達と稽古をしよう庭に出ていた。

「ご免下さい」

男の声が聞こえ、
その方を見ると門の外に人影があった。

「? どなたかしら…」

ふみのは門まで駆け寄ると
大柄な男が一人立っていた。
見るからに六尺はありそうな背丈だった。

丈が足元まである蒼い千鳥柄の羽織を着ており、
赤いひょっとこのお面を付けていたので
その顔を見ることはできなかった。

その手には細長い木箱を抱えていた。


「此処に、一ノ宮ふみの殿は居られるか」

「! 私が一ノ宮ふみのです…!」

「なんと…。お初にお目に掛かります。
 一ノ宮殿の日輪刀を打ちました
 帯金庄衛(おびがねしょうえい)と申します。
 …以後お見知りおきを」

「帯金様…!初めまして。
 一ノ宮ふみのと申します。
 この度は、ありがとうございます!
 もし宜しければ、中へお上がりくださいませ」

「お気遣い、感謝致します。では…」

ふみのは庄衛を居間に案内した。

杏寿郎達にも日輪刀が届いたことを話すと
是非同席したいとのことで、
一緒にふみのの日輪刀を見るとにした。

「お渡しするのが遅くなってしまい、申し訳ない…。
 この呼吸の刀を作るのは初めてで、
 時間が掛かってしまいました」

「そんな!大丈夫ですよ。
 寧ろお手数をおかけして申し訳ありません」

「いえ。…実は私の父が、過去に一ノ宮殿と同じ
 光の呼吸の刀を打っていました。
 その時私はまだ見習いで、見ているだけでしたが…。
 打ち方に少々捻りがあると、申しておりました」

「捻り…?」

「はい、なんとお伝えすればいいか、難しいのですが、
 “込めるもの”が他の刀と異なる、というか…」

「“込めるもの”…」

ふみの達は真剣に庄衛の話を聞いていた。

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