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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第10章 訪問者と贈り物



ふみのは杏寿郎に抱き抱えられて、
家に到着したが、体が酷く熱っていた。

きっと緊張した所為だと
思い込んでいたが、
本当に発熱していたのだった。



「疲労からの発熱ですね。
 滋養に富んだものを食べて、
 薬を飲んでゆっくり休めば、
 数日で良くなるでしょう。
 …背中の打撲はまあまあ酷い…。
 なるべく安静にして、
 過ごして下さいね。ふみのさん」

昔から煉獄家へ往診してくれている
医師の笹川(ささかわ)と看護婦が来てくれていた。
煉獄家が代々鬼狩りをしてることも
知ってくれているので色々と話もしやすかった。

ふみのは看護婦に背中と
その他の傷を手当してもらい、
布団に横になっていた。

処置が終わったので、
杏寿郎も部屋に入ってきていた。

「これまた随分と酷い打撲だったね…。
 鬼にやられたのかい?」

「はい、気付いたら後ろにいて…、
 投げ飛ばされてしまいました…」

「嘸かし痛かっただろう…」

杏寿郎も心配そうにふみのを見る。

「そうか、それはそれは…。可哀想だったね。
 湿布を多めに処方しておくからね」

「はい、ありがとうございます」

笹川はにこりと笑って、
ふみのの頭を撫でてくれた。

(傷跡は、残ってしまうのかな…)

ふみのは不安気に
布団で口元を隠す。

その様子に笹川は気付き、
ふみのに声をかけた。

「ふみのさん。湿布を貼って、安静にしていれば
 傷も残りにくくなるから大丈夫だ。
 しばらく、稽古は控えるようにね?」

「…はい!」

ふみのは笹川の言葉に安堵し、
気持ちが楽になった。

「じゃあまた。
 何かあったらいつでも呼んでくださいね。
 ふみのさん、お大事に」

「笹川先生、ありがとうございました…!」

ふみのは嬉しそうに頬を赤る。

笹川と看護婦も微笑み、
立ち上がって部屋を出ていく。

「ふみの、先生達を見送ってくる!」

「うん、ありがとう」

杏寿郎も笹川の後を追って
部屋を出て行った。

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