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火光 − かぎろい − 【鬼滅の刃 / 煉獄杏寿郎】

第9章 新しい出会い



「あ…ありがとう!」

「礼なんていいから!
 さっさとこの鬼倒しちゃお!」

「う、うん!!」


少女と並んで、
ふみのは鬼に構える。

「二人まとめて殺してやるよ」

鬼は見下すように二人を挑発する。

「それはどうかな!!」

少女は勢い良く鬼に駆け寄る。

「…馬鹿が。同じことを」

鬼は再び影を使い、自分を覆い隠そうとした。

「同じことはさせない!!
 光の呼吸 壱ノ型 翠光!!」

ふみのの放った閃光が
鬼の影を切り裂いていく。

「そ、そんな、影が…っ!?」

影は見る見るうちに
鬼から剥ぎ取られていく。

「いいね!!やるじゃん!!」

少女は嬉しそうに鬼に飛びかかる。

「これでも食らいな!!
 水の呼吸 壱ノ型 水面斬り!!」

「くそ…っっ!!!」

少女の型を避けようと
鬼は後ろに下がり、逃げようとした。

「そうはさせない!!
 光の呼吸 弐ノ型 燐閃!!」

ふみのの刃から放たれた
霊びな青白い光は狐の形に変わり、
鬼の足に鋭い牙を立て、噛み付いた。

鬼はその場に縛られ、
少女の型がザンッと音を立てて、
鬼の頸に食い込んだ。


「な"、なに…っ!!!」


鬼の頸はゴトンと地面に落ちた。


「…ごめん、ごめん、
 兄ちゃんが側にいてやれなくて、ごめん…っ
 ごめんな…っ」


鬼は静かに消えた。


「…妹がいたんだね」

少女はぽつりと言う。

「そう…みたい」

「でも、これで妹にも、家族にも会えるね」

少女はそっと笑みを落とした。

「うん。きっとそうだと思う。
 …さっきは助けてくれて、本当にありがとう。
 あなたが来てくれていなかったら、私きっとやられてた」

「全然!こんなのお互い様でしょ?
 あ!あたしは蓮!當間蓮(とうまれん)!
 よろしくね!」

「蓮さん…!
 私は一ノ宮ふみのです!」

「蓮でいいよ!
 へー!あんたの呼吸初めて聞いた!
 すっごいね!なんて言ってたっけ?コウ?」

「あ、うん!光(ひかり)って書いて
 コウって読む呼吸らしいの」

「かっこいー!知らなかった!
 しかもなんだか強そーだし!
 あたしも負けてらんないやっ!」

ふみのは蓮の飾りっ気のない
天真爛漫な笑顔がすぐに好きになった。

「ねえ!ふみのって呼んでいいっ?」

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