第2章 (短編)クルーウェル様でも嫉妬する
2、30分2人の質問に答え、納得したのかお礼を言い、寮へと帰って行った。
私もそろそろ新種の薬草を植えたら退勤しようと思い、温室に向かおうとしたその時…
クル「ガレイシア先生、ここに居ましたか。」
エマ「あ、クルーウェル先生お疲れ様です。そういえば魔法薬学室の机にメモと薬草を置いておいたのですが、確認してくれましたか?」
クル「えぇ、確認しましたよ。ちょうど不在だったようで申し訳ない。」
エマ「いえいえ、無事確認できたなら良かったです。」
なんかいつもよりこの笑顔が怖いのは気のせいだろうか。もしかして、私なにか不機嫌にさせてしまうようなことしたかな。
嫌な予感がした私は早くその場を去ろうとした…。
エマ「えっと…それでは私はこれで失礼しますね。この後新種の薬草も植えなきゃいけないので。」
クル「そうでしたか、急いでいるところ申し訳ない。そうだ、最後に1ついいだろうか。」
エマ「?…なんでしょうか?……へっ!?」
クルーウェル先生がいきなり魔法のステッキを振り、周りの景色が変わった。
そこは見慣れた魔法薬学室で…。
クル「やっとこれで2人きりだ。肩苦しい敬語は無しだ、エマ。」
エマ「で、デイヴィスいきなりどうしたの。あなたがこんなことするなんて珍しい。」
クル「なぜ、ここに連れてこられたか分からないようだな。では、ヒントをやろう。トラッポラとスペードだったな、あの2人と何をしていた?」
なんでデイヴィスがそんな質問をするのだろう。まぁ、勉強を教えているのはバレてはいるだろうとは思っていたけど…。もしかして、自分の生徒を取られて怒っているのだろうか。
エマ「えっと、多分魔法薬学を教えていることだよね?勝手に教えてたことが嫌だったのならごめんなさい。あの2人には次から断っておく…」
クル「そうじゃない…と言えば嘘になるが問題はそこでは無い。」
エマ「え?どういうこと?」
ますます分からない。もしかして教えてること間違ってた?…ことは無いよね。学生レベルのことすら出来ないなんてことはないし。
そうこう考えているうちにデイヴィスが私の左上の壁に手を付いた。急に近くなってびっくりしたため、私も壁を背に寄っかかった。