第4章 (長編)先生との馴れ初めは?
╶パシン
クル「仔犬ども、躾の時間だ」
今日もいつも通り魔法薬学の授業が始まる。クルーウェル先生のわかりやすい説明を聞きながら、材料や手順を確認していた。だがそんな中、話を聞かないでコソコソと話している3人組?2人と1匹?が私の横にいる。
エース「なぁなぁ、今日ガレイシア先生見たか?」
デュ「いや、姿すら見てないな。」
エース「だよなぁ。やっぱ避けられてんのかぁ。」
グ「お前らストーカーなんだゾ…。((ボソッ」
確かに温室へ行くための通路で待ち伏せや職員室への張り込み…どう見てもストーカーだ。そりゃ嫌がられる。
監督生「なんでそんなにガレイシア先生を追いかけてるの、気持ち悪いよ。」
デュ「相変わらず一言余計だな…監督生。俺はただ、勉強について聞きたいことがあるだけだ。訳の分からない理由で追いかけてるのはエースの方だ。」
エース「ちゃんとした理由だっつーの。じゃなきゃこんな追いかけたりしねーよ。」
どうせ大した理由なんてないだろう。
グ「どんな理由なんだゾ?」
エース「それはな…」
監督生「それは…?」
勿体ぶらず早く言って欲しい。なぜそこまでガレイシア先生に執着するのか。最悪の場合、夫であるクルーウェル先生にドヤされるぞ。
エース「ずばり、クルーウェル夫妻の馴れ初め!あのおっかないクルーウェル先生と優しくて教えるのが上手いガレイシア先生がどうやって出会ってゴールインしたかだな…。」
監督生「え?それだけ?」
エース「なんだよそれだけ?って!」
聞いて損した。普通にクルーウェル先生にでも聞けばいい問題では。まぁ、あのクルーウェル先生が教えてくれるかどうかはわからないが。
とにかくこんな理由で追いかけられてるガレイシア先生が可哀想に思えてきた。
クル「では、説明はこのくらいでおしまいだ。質問がなければ各自実験に取り掛かれ!」
いつの間にか先生も説明を終え、周りの生徒も実験を始めていた。
監督生「ほら実験やんないと成績貰えないよ。」
エース「へいへい、わかってるって。」
と言ってる側から材料も違ければ手順も違う。
私はグリムと一緒だからこちらが何とかすれば、ある程度心配はないだろうが話を聞いていなかった2人はそうはいかないだろう。