第1章 特技は月刊誌を引きちぎる事です。
休み明けの出社日。
あの後、友人からの返事は「悟くんだよ!あんた飲み屋のトイレから戻ってきたら突然、悟くんだよって連れてきて、帰る時も一緒に腕組んで帰ってったじゃん!」と言っていた。
あの白髪が悟くんなんだと理解した。
でも、飲み屋のトイレから帰ってきて悟くん連れて来たとか行動が意味不明すぎて無理。私アホじゃん。
もぅ忘れた事にしよう。
悟くんとやっちゃったとしても生ではしてないっぽい。
あの後、垂れてくること無かったし。。。
生でしてないならしてない事にしても大丈夫だろ。
自分を納得させつつオフィスが入っているビルへと入っていった。
「むっさんおはよ〜」
『おっはよ〜』
「おはよー」
ビルへと続々と入ってくる人の中に同僚が何人か居て次々と挨拶をしてく。
エレベーターホールに向かう為に社員証を出そうとしたらいつも入れてるポケットに入ってない。
鞄の中をかき混ぜて探すが無い。
「むっさん、何してんの?」
『社員証がない』
「えー?忘れたのー?」
『ん〜?出した記憶ないんだけど...落としちゃったのかな?』
「無いと困るし早めに探しな〜今日は警備に言って、予備の借りるしかないんじゃない」
『うん...そーする』
ついてない...よりによって社員証を無くすとは...あの写真けっこー盛れてて気に入ってたんだけどな〜事情を警備に説明して仮社員証を借りて出社した。
そう言えば彼との出会いも私が社員証を落として彼が拾ってくれたんだよなぁ...あの時は少女漫画みたいな出会いもあるだなって喜んでたのを思い出す。
フロアは違えど彼も出社してるのかと思うと胸のグチャグチャがより一層深くなって仕事になかなか集中できなかった。