第8章 《戦国猫日記》照月との出会い
照月「政宗!もっと遊ぼ!みゃあ!みゃあ!」
政宗「まだ遊ぶのか?」
照月「うん!この子も一緒に!」
ぎゅーっと照月が私を抱き枕のように抱きしめる。
政宗「全く…。今から信長様のところへ行くってのに。」
そうなの?もう…仕方ないなぁ。私が照月と一緒にいるから行っておいでよ。
ルナ「にゃあ。」
しっぽをピンと立てて政宗に向き直る。
しばらくぽかんとしていた政宗は私の言いたいことが分かったみたい。
政宗「ルナありがとな。頼んだぞ。」
はーい、分かったよ!ほら、照月。こっちおいで。
照月「はーい!」
政宗と別れて日陰になっている縁側の端っこまで歩く。
照月「ルナって言うの?」
ルナ「うん。よろしくね照月。」
照月「なんかルナってお母さんみたいだね。」
ルナ「え?私?」
照月「うん。僕の母さんに似てる。」
ルナ「そう?」
照月「うん。僕の母さん人間に殺されてね…。僕も捕まって縄で縛られて、船?とかいうのに乗せられて生まれたところから引き離されて…。」
ルナ「そうだったの…。」
照月「僕の母さんは強く、誇り高く生きてきた。ルナが他人を思いやる優しいところも母さんそっくりだと思って!僕もそんなふうに生きたかったんだ。」
ルナ「…。」
照月「そのとき政宗と出会って、『いつか故郷に返す』って約束して縄を解いてくれたんだ。それから政宗と過ごすうちに狩りの練習をしたりした。母さんみたいににゃれるようにね。政宗は僕の命の恩人でもあり、師匠でもあるんだ。」
照月「母さんがいにゃくて寂しかったけど政宗のおかげでここまで生きてこれた。政宗は『故郷に返す』って約束してくれたけど僕はずっと政宗のそばにいたい。政宗が大好きだから。」
一気に話し終えて照月がふぅと息をつく。
ルナ「頑張ったんだね。」
照月「うん!これからもっとがんばらにゃいと!」
照月がこんなにも重いものを背負ってたなんて…。それを感じさせないくらい明るく振る舞ってる照月は強いんだな…。