第6章 歓迎の宴
三成「家康様もきっと猫さんを気に入りますよ。」
家康「俺は忙しいから。」
秀吉「また喧嘩してるのか?」
あ、三成くんの保護者。
家康「してません。」
三成「秀吉様もどうですか?」
三成くんが私を秀吉さんのほうへ向ける。
どうですかって…。私、この人からるるちゃんを敵扱いした謝罪をまだ聞いてないんだけど。るるちゃんには言ってたけど、私にも一応謝ってよ。大事なご主人様が疑われるっていうのは傷ついたからね。
仏頂面で秀吉さんを睨む。
秀吉「…あー、悪かったな。もうお前たちを間者と思ってないからな。」
うん、よろしい。これからよろしくね。
秀吉さんたちが順番になでなでしてくれる。
どこかの誰かさんと違って撫でるのがうまいね〜。
三成「確か家康様は子鹿を飼われていましたよね。」
へぇ、そうなの?
三成「名前は…もみじおろし、でしたっけ。」
家康「ワサビだよ。なんで1文字も合ってないの。」
三成くんは名前を覚えるのが苦手みたい。私の名前覚えてくれるかしら。なんか三成くんと家康さんって漫才コンビみたいだね。皆さんもそう思わない?
そこからペットの話になった。秀吉さんは『ウリ』っていう名前の猿を飼ってて、三成くんの猫は『猫さん』が名前なんだって。三成くんにとっては覚えやすい名前だね。みんなどうりで撫でるのがうまいわけだ。
気づいたら家康さんはすっかり唐辛子で真っ赤になった料理を食べていた。
三成くんのお皿も真っ赤だったよ。にんじんで。秀吉さんが食べさせようとしてた。(あとで分かったことだけど、食べさせるのは無理だったみたい。)三成くん曰くにんじんは奇妙な味がするらしい。
やっぱりくせが強い…。
さて、そろそろ信長様のところに行こうかな。ほんとは1番最初に行かなきゃ駄目だっただろうけどそこは許してください。
ぴょんと三成くんの膝からおりる。そしてピンとしっぽをたてて挨拶。
また構ってね。
三成「あ、行ってしまいました…。」
秀吉「気まぐれなんだな。」
家康「信長様のところに行く…。案外律儀なのかな。順番に俺たちのところ来てたし。」
ちょっと、『案外』は余計だよ。私はとっても律儀なのですよ。家康さんも『案外』猫語の勘がいいんだね。それと秀吉さん。猫はもともと気まぐれな生き物なんですよ。