第6章 歓迎の宴
※るる目線※
***
るる「ごちそうさまでした。」
美味しかった…。自分が作ったもの以外を食べるのって久しぶりだったな。ほとんど自炊だったから…。あ、ルナも全部食べてる。食器持っていこう。台所ってどこだろう?
食器の乗ったお盆を持って部屋を出ると、ちょうど廊下の向こうから梅さんが歩いて来た。私を見るなりものすごい勢いで走って来た。
梅「るる様…!それは私が持っていきますので!」
梅さんがお盆を取り上げる。
るる「そのくらい自分で出来ます…!」
梅「いいえ、私が。」
るる「じゃあついて行きます。」
梅「るる様は変わった姫様ですね。」
梅さんがクスクス笑いながら歩き出す。私はその後ろをついて行く。
お姫様扱いは慣れないな。ひとり暮らしで自分のことは自分でしてたから何かを誰かにやってもらうなんて変な感じ。それに私本当の姫じゃないし…。
梅さんについて行くうちに台所に着いた。
梅「ここが厨(くりや)ですよ。」
へぇ、台所のことって『くりや』って言うんだ。かまどがいっぱいある…。料理してみたいなぁ。…なんて言ったらまた梅さんに笑われるだろうな。
そんなことを考えているうちに梅さんは全部食器を片付けてしまった。
梅「さぁ、戻りましょうか。」
るる「あ、はい。ありがとうございます。」
部屋に戻る途中、梅さんに話しかける。
るる「梅さん、私、着物を自分で着れるようになりたいんです。だから教えてくれませんか?」
梅「私がお手伝いしなくてもよろしいのですか?」
るる「はい、1度自分で着てみたいと思ってたので!明日からでも!」
着物なんて滅多に着られないしそれなら自分で着付け出来るようになってみたいな。
梅「そうなのですか。」
梅さんはにっこり笑って了承してくれた。