第6章 歓迎の宴
るる「はい、ルナのご飯、どれがいい?」
るるがカリカリの袋を並べる。
今はサーモン&チキン味の気分かな!袋に触れてアピールする。いつもこうやって選ばせてくれるんだよ!るるちゃんは私の気持ちを分かってくれる。自慢のご主人様だ。
るる「いただきます。」
私もいただきま〜す。
2人で朝ご飯を食べる。
るるちゃん、落ち着いたみたいで良かった。
私が初めてるるちゃんの家に来たとき、始めのほうはお母さんが帰って来てたけどある日を境にぱったり帰ってこなくなった。お父さんも東京に単身赴任で帰って来ない。私とるるちゃんとでは広すぎる家で2人きりだった。いつも寂しそうな顔をしてた。でも私のお世話を完璧にしてくれた。
るるちゃんはこれまで3ヶ月間寂しいのを我慢してた。もし私が来なかったらずっと1人ぼっちだったかもしれない。その寂しさを人に話したことなんかなかったから話したら安心感が出たんだよね。話を聞いてくれる人がいるっていう安心感が。
政宗が言ってたとおりここに来てから不安そうな顔ばかりだったしさっきも泣いてたし…。寂しいっていう気持ちでも猫は泣かないけど、生まれたばかりの私でもるるちゃんの気持ちは痛いほど分かった。
せっかくるるちゃんのところに私が来たんだから、私がそばにいてあげなきゃ。人間の言葉は理解できても話すことはできないから猫の私にはそれくらいしかできない。けど、他にできることがあればしてあげたいな。
それに私はかぎしっぽだから、このしっぽに幸運を引っ掛けてこなきゃね。もちろんこれからお世話になる信長様たちの分と梅さんの分もたくさん。
寂しくなったらいつもみたいに膝の上に乗って寄り添ってあげるね。猫を撫でると癒し効果があるってどこかの人間が言ってたし!
だから私がいつもそばにいるよ。