第5章 安土城にて
るる「っ…。」
信長「るる…?」
どう言おうか考えているうちに不自然な間ができてしまった。ちょっと迷って正直に話すことにした。一息ついて信長様たちに向き直る。
るる「私の両親は…。」
信長様たちに自分の両親のことを話した。誰かにこんなこと話すなんて初めてだった。みんなは何も言わず静かに聞いてくれた。話しているうちに涙が出てきた。すかさずルナが膝に飛び乗りあの時みたいに寄り添ってくれる。話し終わってすっきりしたのか、涙が止まらない。
家康「るる…。」
秀吉「そんなことがあったのか…。」
光秀「俺のせいで嫌なことを思い出させてしまったな。すまない。」
るる「いえ、…光秀さんは悪くないです。…話したら楽になりました。こんなこと誰にも話したことなくて…。」
政宗「そうか。」
信長「ここに住むにあたってるるには常時梅をつけさせる。秀吉。」
秀吉「はっ。」
秀吉さんが梅さんを呼ぶため広間を出ていく。
三成「落ち着かれたら城内を案内しますね。」
るる「ありがとう、三成くん。」
ルナがいつの間にか膝を降りて広間を歩いている。お城なんてテレビでしか見たことないもんね…。
しばらくして秀吉さんが梅さんを連れて戻って来た。
梅「さぁるる様、行きましょう。」
るる「梅さんありがとうございます。皆さんも。ルナ、おいで。」
ルナ「にゃあ!」
梅さんに連れられて私は広間をあとにした。