第4章 タイムスリップ?!
るる「本能寺…?!」
私は必死に授業で習ったことと教科書の内容を思い出す。
『天正十年(1582年)、織田信長は家臣の明智光秀に裏切られ、本能寺で自害した。』
るる「嘘でしょ…。」
自分の頬を引っ張ってみる。
るる「痛っ…。」
夢じゃない…。
信長「貴様、さっきから何をしている。この俺が名乗ったのだ。次は貴様の番だろう。」
自称織田信長が一歩こちらに近づいて来た。一歩後ずさりながらも答える。
るる「るるです…。」
信長「るるか。悪くない響きの名だ。」
するとそのとき、1人の男の人がこちらに走って来た。
??「信長様!よくぞご無事で…。」
信長「三成…。なぜ貴様がここにいる。秀吉はどうした。」
三成「秀吉様のご命令で参りました。秀吉様ご自身も今こちらへ向かわれています。」
火の手をあげる本能寺を横目に、三成と呼ばれた男の人が眉をひそめた。
三成「信長様のお命が狙われているとの情報が入ったのですが…本当だったようですね。敵は少数だったらしく、配下の者に探させましたがすでに逃げたあとでした。こちらの方は? ご一緒に本能寺から出ていらっしゃるのが見えましたが…。」
信長「るる、俺の配下の者に挨拶しろ。」
信長が三成を顎で指し示す。
るる「えっと…。」
実は私は極度の人見知りで人と話すのが苦手。なんとか言わないと…。
信長「俺に従わない気か、貴様。」
るる「ご、ごめんなさい…。」
迫力がすごい…。怖い…。
三成「いえ、私がいけませんでした。自分から名乗るのが礼儀ですよね。私は石田三成と申します。信長様の右腕である秀吉様の元で、側近を務めている者です。」
るる「初めまして、るるです…。」
この人は優しそうだな…。
信長「何者かは俺も知らんがこの娘が刺客に気づき、寝ていた俺を起こして外へ連れ出したのだ。」
三成「そうでしたか…!信長様のお命を助けていただきありがとうございました。」
るる「いえ…。」
三成「ですが、るる様はなぜ本能寺に?尼にも見えませんし…変わった服装をなさっていますが、どこの国のお方でしょう?」
るる「えっと…。」