第8章 重たいので…
「触んな。」
「!…どうして!大きくなったら結婚してくれるって言ったじゃん!」
「!…」
「フフッ…なかなか面白い痴話喧嘩ですね。」
「え、あれでしょ?大きくなったら結婚しようね!って言って再会果たすやつでしょ?」
「っ…紘太君の嘘つき!」
「…」(結婚……幼馴染…?誰……嫌だ…。)
聞きたくない……。
私はドアを開けようと、玄関のドアノブに手を伸ばした。
「!…」
すると、急に胸ぐらを掴まれ、コウちゃんにキスをされた。
「あらっ…。」
「わぉ…。」
「!…」
「ん…っ…!?」
いきなりのことで状況が理解できなかった。
「…目障りだから失せろ。」
一言彼女にそう言い放ち、ドアを開けた。
「振られちゃいましたね、よしよし。」
「あ~!触るな~!!」
「フフッ…嫉妬しないでください、イチ。」
「し、してね~もん!!」
「してるじゃないですか…可愛いですね。」
皆で家の中に入り、彼女は外で1人、取り残されてしまった。