• テキストサイズ

彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第7章 不可能


「…どこ?」

「牛丼買いにいこ!」

「…ん。」

「…」(毎回お金出してくれるけど…どこから湧いてるんだろ…そのお金…。)

「牛丼4つ。」

「か、かしこまりました…!」



だいたい、コウちゃんのことを知らない店員さんでも、腕に入った刺青を見て戸惑う。



「お会計が1740円でございます。」

「ん。」

「い、1万円お預かりいたします。8260円のお返しになります…!しょ、少々お待ちください…!」

「……なんで4つ?そんなにお腹減った?」

「いや、イチとシュウの分。」

「あ~、なるほど。」

「…菜月。」

「…?」

「…ん、やる。」



コウちゃんが付けていた指輪を取って渡してきた。



「え…?」



それは何の模様も入っていない指輪だった。



「…」

「あ…ありがとう…。」



受け取って右手の薬指にはめた。



「…ぶかぶか…。」

「…それ、外すなよ?」

「…?…わかった…。」



*



袋を両手に持ち、コウちゃんは家に向かって歩いて行った。



「コウちゃん。」

「…」

「好きな人できた。」

「殺すぞ。」

「!…ふふっ…。」



急に出てきた暴言に笑ってしまった。
/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp