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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第7章 不可能


「…」(鎖…?)


首元には鎖の刺青が入っていた。


「ん…。」

「!…あ…ありがとう…。」



掌の包帯も巻き終わり、救急箱を閉じた。



「い、刺青とピアス…増やしたんだね…。」

「ん…?…あぁ…。」



立ち上がり、救急箱を元の場所に戻した。



「…あけるか?」

「え…。」



彼は手を伸ばし、私の耳を触った。



「…い……いや…だ……あけない…。」

「フッ……。」



*



「おぉ…。」



更にそこから4ヶ月が経過した。傷も跡は少し残ったけれど動けるようになったし生活も普通にできるようになった。



「コウちゃん、行きたいところがあるんだけど……一緒に来てくれる…?」

「…ん。これ終わったら。」

「わかった。」



ここに来てもうすぐで1年になる。8ヶ月経って、呼び方も変わり、距離ももの凄く縮まった。



「いっ…!」

「…」



今日はお客さんが来ていて、コウちゃんは作業部屋で刺青を入れていた。



「…アンタ、なんで刺青なんて入れようと思ったの?」

「え…か…かっこいいからっす…。」

「…ふーん…。」



そういえば、お客さんと喋ることなんてなかったコウちゃんが、よく喋るようになった。相変わらず人殺しはするけど。
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