• テキストサイズ

彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第7章 不可能


*


まともに生活できるまで3ヶ月ほどかかった。3ヶ月経っても歩くのには時間がかかるし、手も使いづらいのでやれることは限られている。出来ないことは紘太さんが全てやってくれた。



「…」(ここにきて…もう約4ヶ月も経ったんだ…。)



テレビをボーッと見ながら思った。病院で見てもらったわけではないので、完治するのも遅いだろう。



「菜月。」

「!…」

「ん…。」

「あ、ありがとう…。」



3ヶ月経って変わったこと。名前を呼ぶときは、さん付けで呼んでいるけど、敬語を使わなくなった。



*



「喋るのにも体力使うし、別に俺なんかに敬語使わなくていいし。」



*


そして、頭を撫でるくらいのスキンシップで、抱かれることがなくなった。



「…」



淹れてくれたコーヒーを飲み、またテレビを鑑賞した。



「…なんか気になんの?」

「えっ…あ…ううん……。」

「…ん。」



太ももに巻いてある包帯を取り換えてくれた。



「…」(あれ……ピアス…増えてる……刺青も…。)



腕にしか入っていなかった刺青が首筋に入っていた。
/ 162ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp