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彼が異常ですが怖いので何も言いません。

第7章 不可能


「っ…ご…ごめん…。」


紘太さんが謝るとドアの向こうから笑い声が聞こえた。


「…イチ…シュウ…。」

「フッ…ははははっ!!ごめんごめん!」



謝りながらドアを開けたイチさん。その後ろでシュウさんもクスクスと笑っていた。



「申し訳ありません…。まさかコウさんの謝罪が聞ける日がくるなんて思っていなかったもので…。」

「ご、ごめん…だって!ははははっ!!」

「イチ…。」

「ご、ごめんごめん!いや…でもびっくりした…コウちゃんの謝罪なんて聞いたことなかったから。」

「え…。」(確かに…彼が誰かに謝っているところなんて想像ができない…。でも私には何回か謝ってくれたことがあった。)

「体調はどうですか?2日間も眠っていたんですよ?」

「そ…そんなに…ですか…?」

「はい。私も医者ではないので、適切な処置が出来ているかはわかりませんが…とりあえず生きていて良かったです。」



ニコリと微笑んでくれた。



「そうだよ~。まさか菜月ちゃんにまでナイフ突き立てるとは思わなかったなぁ…。ククッ…気失った時のあのコウちゃんの焦りっぷり。可愛かったなぁ。」

「…イチ、殺すぞ。」

「ごめんなさい。」
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