第7章 不可能
私はベッドの上で膝を抱えて寝転んだ。
「…」(次…見つかったらどうしよう……あ……。)
急いで起き上がり、彼の言っていたことを思い出した。
"次許可なく外出たらもう2度と家から出せねぇようにすっから。"
「…いや…まさか…バレたりなんてそんなこと…」
そう呟いた瞬間、部屋にあった電話が鳴った。
「…はい。」
電話を取ると、フロントからだった。
「あの…お知り合いの方がいらっしゃっているのですが…フロントの方にお越しいただけないでしょうか…?」
「!……知り…合い…?」
「えぇ…えっと…東雲様…という方なのですが…。」
「っ…!」
電源を切るのが遅かったのか、居場所がバレてしまった。
「す、すみません…行けないです…。」
「えっ…で、ですが……あっ…!お、お客様…」
「菜月?」
「!…」
受話器を取ったのか、紘太さんの声に変わった。
「フロントで待ってる。」
そう言い、電話は切れた。