第7章 不可能
「…で、どうして勝手に逃げたりしたんですか?」
「っ…それは…」
「人を殺して笑っていられるなんて信じられない…ですか?」
「!…」
この人は…本当によめない人だ。笑っているだけで怒りや悲しみが顔に全くでないし、そのくせ人の考えはもの凄くよめている…。
「まぁ…言ってしまえば、イチやコウさんのやっていることは、一般的に見たら"普通"ではないでしょうね。人を殺して…痛めつけることに罪悪感を感じ、この空間から逃げ出したい…。そう思ってあなたはここまで来たんでしょう?」
「っ…罪悪感…感じるのなんて…当たり前じゃないですか…。」
「…そうでしょうか?」
「!…え…?」
「罪悪感を感じるなら、なぜ食事ができますか?魚や豚、牛を殺して、ましてや食べていることなど、罪悪感を感じないというのですか?」
「っ…それは…」
「所詮この世は弱肉強食。やらなければ、やられるまでです。」
シュウさんの言い分に…何も言い返すことができなかった…。