第7章 不可能
「…次の駅で降りてください。」
「っ…。」(どうして…私の居場所が……?)
電車が止まり、駅に着いた。私は言われた通り大人しく降りた。
「どうしてコウさんの元から逃げたのですか?」
彼は歩きながら話した。
「…」
私もその背中を追いかけた。
「あの…どうして…居場所がわかったんですか…?」
「…はぁ…質問を質問で返すんですか?」
「!…あ…す、すみません……あの…。」
「まぁ、詳しい話は…ホテルで聞きますね。」
「え…?」
連れてこられたのはラブホテルだった。
「すみません、人目につかない場所がここしかなかったもので…。」
「い…いえ…。」
「ご安心を。コウさんの物をどうこうしようとなどは考えておりませんので。」
ニコリと微笑み、ベッドに腰をおろした。
「は…はぁ…。」
シュウさんが…何を考えているのかわからなかった。