第7章 不可能
「はぁっ…はぁ…っ…はぁ…っ…!」
出来るだけ遠くに……彼らに見つからないように走った。車なんてものは持っていないし、自分の足で逃げるしかない。時刻は13時だった。明るく、人も多い時間帯…。
「はぁ…はぁ…。」
駅に着き、電車に乗った。なるべく…遠くへ…遠くへ…。
「…」(乗り換え…3回目……人…多い…。)
電車の中は人が多く、とても座れるような状態ではなかった。それどころか、立っているのもしんどい状況。
「っ…。」(とりあえず…ここで降りて…ホテル探さないと…。)
「次は…」
アナウンスが流れた時だった。
「鬼ごっこ、ですか?」
「!…」
背後から聞き覚えのある声が聞こえた。耳元でしっかりと聞こえたその声は……
「シュウ…さん…。」
出かけているはずのシュウさんだった。