第6章 関係
「も…もうやめてあげてください…っ…!」
「え~?殺さないでって言ったから、わざわざコウちゃんが拷問に変えたんだよ?」
「で…でもこんなの…殺されるより…しんどいですよ…。」
「そうだよ?でも菜月ちゃんはコイツが"殺される"のが嫌だったんでしょ?」
「!…」
紘太さんは煙草に火を付け、彼に向かって煙を吐いた。
「も…っ…ゆ…許して…くださ…ぃ…っ…!」
「…」
もう1度、煙草の煙を吐くと、シュウさんが持っていたネールハンマーを持ち、親指を殴った。
「ああぁぁあああっ!!!」
シュウさんよりもかなり威力が強かった。
「っ…や…やめてください…っ…!!」
咄嗟に紘太さんの腕を掴んだ。
「も…もう充分です…!」
怖かった。誰かの悲鳴を聞いていることが……1歩間違えれば誰かが死んでしまうような空間にいることが……。
「……シュウ。」
「はい。」
「…もう、好きにしろ。」
「!……わかり…ました…。」
「え!?コウちゃん…いいの?」
「…ん。」
ネールハンマーを置き、私を抱き上げ、別室に連れて行った。
「っ…。」
素直に抱きつき、紘太さんの着ていた服を掴んだ。