第6章 関係
「菜月。」
「っ……そういう意味で…言ったんじゃない…。」
彼に対しての恐怖心が戻ってきた…。
「…」
彼は何も言わず、私を抱きしめていた。
*
結局、あの男性は殺されてしまったらしい。何度も何度も謝る声が聞こえたけど、イチさんとシュウさんは笑っているだけだった。
「っ…。」(この人達は……おかしい…。)
平気で人を殺して、それを見て笑っている……。人が死ぬことに対して何も思わない…。
「…」(もう…嫌だ…。)
人が目の前で死んでいくのを見るのは嫌だ。こんな所から逃げ出したい。
私はベッドから起き上がり、スマホとお財布を持って玄関に向かった。3人でどこかへ出かけているらしく、家には1人だった。
「さようなら。」
そう呟いて家を出た。